TRILLはどのように開発工数ゼロで7%のRPMアップリフトを生み出したのか

日本最大級のライフスタイルメディア「TRILL」は、ユーザー体験を損なうことなく広告収益を向上させるため、Browsiを活用しました。TRILLは、Browsiのノーコード最適化ソリューションを活用し、広告枠の配置、ビューアビリティの閾値、タイムアウト設定に関する高度な複数のA/Bテストを、コードを一切変更することなく実施しました。
その結果、これまで活用されていなかった高価値の広告枠の可視化により、RPMが7%向上しました。
課題(Before Browsi)
TRILLの広告運用チームは、行き詰まりの状態にありました。広告レイアウト、読み込み速度、タイムアウトの最適化など、実施したいテストはすべて開発リソースを必要としましたが、十分なリソースを割くことが難しい状態でした。
単純に広告枠を増やすという選択肢も取れませんでした。それではユーザー体験(UX)を損ね、ポリシー違反につながり、ページパフォーマンスの低下も招きかねなかったためです。
一方で、既存広告枠のフィルレートは高水準を維持していましたが、RPMは頭打ちの状態にあり、可視化も改善もできない非効率が存在している兆候がありました。
TRILLは、ユーザー体験を損なわず、かつ開発チームに負荷をかけずに成長の可能性を引き出せる、新たなアプローチを必要としていました。
ソリューション(Browsi の導入と運用)
開発リソースを追加することなく広告収益をさらに生み出すために、TRILLはBrowsiの2つの主要機能を最大限に活用しました。
AIベースの広告枠位置検出 & 動的な枠の設置
Browsiは自動的に最適な広告枠の位置を特定し、特定のビューアビリティが見込まれる領域にのみ広告リクエストを送信。これにより、これまで見落とされていた高価値の広告枠を可視化することができました。
複数設定の同時並行テスト(A/B/C/Dテスト)
TRILLは、ビューアビリティの閾値(30%/50%/70%)やPrebidのタイムアウト設定を並列でテストし、効率的に最適解を模索しました。これにより、パフォーマンスの「スイートスポット」を見つけることができ、先の見えない連続的なテストや開発チームへの負担をかける必要がなくなりました。
結果(With Browsi)
TRILLのこの運用は、以下の大きな成果をもたらしました:
静的な広告枠配置の見直し:RPM +7%
従来のハードコーディングされた静的な広告枠を廃止し、Browsiによる動的な配置に切り替えたことで、これまで使われていなかった高価値の枠位置を活用できるようになりました。
ビューアビリティとインプレッション数の最適化:RPM +5%
異なるビューアビリティレベルでA/B/Cテストを行うことで、実際に収益効果の高い「スイートスポット(ビューアビリティを上げることによるCPMの増加と、PVあたりのインプレッションの数の最適なバランス)」を発見。追加の広告を増やすことなくRPMを向上させました。
Prebidタイムアウトの調整:RPM +5%
タイムアウト設定を4つのバリエーションで分けてテストすることで、レスポンス速度と入札数の最適なバランスを見つけました。
いずれにおいても広告密度や確認クリック等のポリシー違反が発生しないよう、日々の運用や機能 (*)で必要に応じて配慮・対応を行った。
(*)Googleポリシーへの最適な配慮
1. 広告密度の制御:ページ上の広告数が上限に近づいた場合には、広告リクエストを抑制
2. UIの最適化:誤クリックを防ぐため、パディングの追加・背景スタイル・レイアウトの余白調整を実施
チームワーク (Browsiとfluctの連携)
Browsiのソリューションによって高速なPDCAサイクルを回すことが可能になった一方で、TRILLの成功を支えたもう一つの鍵は、fluctによる深いデータ連携と専門的な分析でした。
fluctは以下の3つの主要データソースからインサイトを統合:
- Browsiでのみ取得可能なデータ:AIによる広告配置の挙動、Viewability予測、各テストグループのインプレッション数、収益など、Browsi独自の詳細データ。
- Google Ad Manager (GAM):広告枠ごとのRPM、CPM、フィルレート、viewabilityといったパフォーマンス指標。特に、BrowsiのA/B/Cテストで付与されたKey Value (KV) を活用することで、各テスト設定の成果を詳細に比較・分析できました。
- DATA STRAP:各デマンドの詳細なレポートを集計。Google Ad Manager(GAM)より精緻な収益データでの意思決定に活用できます。
これらのデータを掛け合わせることで、TRILLは以下を実現:
- 360°のパフォーマンス可視化
- A/B/Cテスト結果の客観的比較(例:RPM、フィルレート、UXへの影響)
- これまで収益化されていなかった“見えていなかった広告枠”の収益を定量化
この連携により、すべてのテストは更に洞察を深めることができ、すべての結果がよりアクショナブルなものになりました。
媒体社からの評価・コメント
私たちは、あらゆる施策を試し尽くしたと思っていました——しかしBrowsiは、“隠れた広告枠”を可視化し、コードを一行も書くことなく収益化してくれました。
BrowsiのA/Bテスト機能は驚くほど柔軟です。“もしこれを試してみたらどうなるだろう?”と思った瞬間に、それをすぐに実行に移せる。しかもエンジニアの手を借りる必要はありません。このスピード感があるからこそ、あらゆるテストの結果が次の施策の出発点になっていくのです。
次のステップ——もちろん、Browsiを使って各広告枠のパフォーマンスをさらに引き上げ、広告主に信頼され、ユーザーに愛されるプラットフォームを構築していきます。
お問い合わせ
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📩 お問い合わせ:japan@browsi.com
複雑なアイデアも、すぐにテスト
今日思いついた仮説が、数日以内にテスト開始可能です。
結果を即座に可視化
すべてのテスト設定にはGAM上でKey Value(KV)が付与され、
RPM・CPM・ビューアビリティ・フィルレートを数クリックで比較できます。
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